2009/6/12
★ 事業開発部 谷
私の心掛けていること・・・「企業家」としての視点を持つ。
「創造的破壊」という言葉は、クレディセゾンの林野社長が好んで使われる言葉であるが、提唱者であるヨーゼフ・シュンペンターは経済にとって最も大切なことは、企業の行う不断のイノベーションであると唱え、そのプロセスを「創造的破壊」と名付けた。
イノベーションとは、新製品、新しいサービスによる新市場の創設や、経営執行のプロセスのマネジメント等、企業が投入する様々な要素(人的資源、資金、物理的インフラ、政策と経営の執行に係わるインフラ、情報(IT)インフラ、科学技術インフラ等)を質的、専門的に革新していくことであり、供給コストを低下させ利潤を高める事を指す。そしてこれを推進する者を「企業家」と呼んでいる。
米国の伝統的企業GM(ゼネラル・モーターズ)が破産宣告を受ける中、同様に伝統的企業であるGE(ゼネラル・エレクトリック)は、ダウジョーンズ平均株価指数(日本でいう日経平均のようなもの)ができた時から110年以上にわたって指標銘柄として残る唯一の企業である。この結果はイノベーションを継続的に続けてきたからに他ならない。
GMは現在も日本車に比べ燃費の悪い自動車を製造し続けているが、GEはもはや電気製品を製造する企業ではなく、ヘルスケア、メディア、金融そして環境ビジネス企業と大きな変貌を遂げている。
今、日本の経済は大きく低迷し、派遣ビジネスも法的規制の中でイノベーションを必要としている。我々は既存の顧客に対して、新たに何を提供すべきなのか。また既存の商品、サービスを、誰を顧客として提供すべきなのかを再定義する時期に来ていると思われる。
そしてそのために私は、下記の4点の壁を取り払う必要があると考えている。
1.顧客の壁・・・顧客の客観と主観にアンテナを張る
イノベーションの解は会社の中にはない。常に顧客の中にある。社会の変化の中で顧客の声に耳を傾け、当社が提供すべきサービスは何か、我々の顧客は誰なのかを常に再定義していく必要がある。そのためにも外に出て既存顧客、見込み客と接し、これらを肌で感じ取るべきである。
「イノベーションの本質」を書かれた野中郁次郎教授は、イノベーションは新しい「知」を持続的に作り出すことと定義している。そしてこの「知」は「形式知」と「暗黙知」すなわち「客観(データ)」と顧客になりきることで感じる「主観(想い)」の往復運動の中で生まれるとしている。
2.専門性の壁・・・学習する風土を醸成し、個々の専門性を高めていく
人材ビジネスとしての専門性は、労働法、社会学、心理学、教育学など多岐にわたる。これらの知識なくしてイノベーションを引き起こすことは不可能である。イノベーションとは質的、専門的に企業が投入する要素を革新していくことを指すからである。我々は更に専門性を高めていかねばならない。
3.組織風土の壁・・・イノベーションを尊重する風土を醸成する
イノベーションははっきり言って、しんどい作業である。「なぜ」「何を」「どうやって」行うのかを全て再定義しなくてはならない。人間はあらかじめ定められた方法で仕事を行うことを好むため、変化に対しては抵抗する。そのためにもメンバー間の議論を重ねることで、イノベーションに対する組織内のメンバーの信頼感を醸成することが不可欠である。
4.実行の壁・・・適切な仮説を立てたら必ず実行し、検証する
また、イノベーションは従来のやり方を変えるという点で不効率である。頭の良い人間は不効率であることからこれに反発する。その最たる例が日本の優秀な官僚であろう。しかし組織に「揺らぎ」を意図的に与える事で得られる発見が、大きなイノベーションを引き起こした例は多く見られる。プリウスは自動車を全否定することから生まれた、ある意味では矛盾だらけの商品である。目的が正しければ、実行ありきである。
以上が私の心掛けたいことである。
「創造とは既存のもの同士の新しい組み合わせに過ぎない。」
本当は難しい事は何もないはずなのだが・・・。
以 上
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Posted by human
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